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Aloha Aina ~ALOHA LIFE in KARUIZAWA~

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2008年 09月 24日

大神へと繋がる記憶

台風が過ぎ去った翌日、眩しいほどの陽差しは何日ぶりだっただろう。
夕方5時くらいだったと思う。
空砲の”パーン”という音が数回、台風一過でカラッと乾いた空気に響いた。

”・・・猿を追っている”

そう思った瞬間、先日見た夢を思い出した。
古い土間がある小さな古民家のような所にいる私と、その周りを徘徊する狼。
獲物から視線をそらさず、その距離を縮めていく。
少しでも高い所に上がり、その牙から逃れようとする態勢に思えたが、
夢の中の私も、夢を見ている私も、不思議と恐怖心は感じてはいなかった。

一体何故、こんな夢を見たのか。
数週間前に読んだ本。
オオカミを見たという、老人の証言からストーリーが展開されていく。
そしてオオカミに襲われていく人々。
その足跡を追ってゆく男の執念。

初めてオオカミの本を読んだのは、学生のころ。
オオカミの群れに加わり、その群れの最優位に立った研究者がいた。
その本を何故手にし、読もうと思ったかは定かではない。
でも強烈な印象と興奮が残り、時を経た今でも頭の中にその本の題名が
留まっていた。
「オオカミと生きる」 ヴェルナー・フロイント

知らずのうちに、私の本棚にはまたオオカミの本が加わっていた。
「オオカミの魂」 マイケル・W・フォックス

そして、先日3冊目の狼へと引き寄せられた。
「漂泊の牙」 熊谷達也

かつて日本に生息していたニホンオオカミもエゾオオカミも1900年頃を境に
確認されることはなくなり、絶滅したとされている。
でもこの本を読むと太古の時代より”大神”と呼ばれ崇められてきたその動物が
人知れずその命を繋いでいるのではないかと、そう思ってしまう。
そして、野生動物・自然と人間の共存という聞こえのいい言葉が
どれほど厳しい難題であるかを、また自然界の中の命のバランスを崩すことが
どれほど重大な問題に発展するかを教えてくれる。

きっとまた、私は大神に引き寄せられる。



Aloha Aina

by aloha-aina-life | 2008-09-24 13:16 | talk to myself


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